シャーマンキング最終回について

シャーマンキングというキーワードでいらっしゃる方が多いので、少し書かせてもらいます。
ただ、一通り読んだことはあるのですが覚えていない部分も多々ある点はご了承ください。


まず始めに、今回の途中終了(打ち切り?)は誤った選択ではないと思います。
固定ファンはついているものの、飽きはじめている読者も多く、掲載位置も比較的後ろを定位置としてしまっている今の状況が良いとは誰も思わないのではないでしょうか。


では、何故シャーマンキングはこのような状況に陥ってしまったのでしょう?
おそらく、編集部の数字市場主義による打ち切りだと考えていらっしゃる方も多いでしょうが、私はそうは思いません。
この状況はなるべくしてなってしまった、と思っています。


最近読んでいて一番気になっていた点は「十司祭を全て倒さなくてはいけないというダルさ」だったのではないでしょうか。
これは別に作者の武井宏之さんや編集部の責任ではない気がします。
きっと武井さんは「よもやこんなに連載が続いて、10人全部倒さなくてはならない事態などは起こるまい」と考えていたのではないでしょうか?
実際、これらキャラクター達は話の途中でより強い敵を作り出すために登場させられたわけではなく(ジャンプにありがちな)、ストーリに則った登場を、しかも初期段階からしてきていますよね。


そしてこの作品は「シャーマンキングになる」という大きな目的をきちんと追い続けていると思います。
これは好感が持てる点ではありますが、逆にこれが首を絞めてしまったのではないでしょうか?


最終目的のために、必ず倒さなければならない敵が随分前から用意されています。
これらの戦闘が存在することは読者も承知しているのですが、わかってしまっているせいで刺激が少なくなってしまいます。
ここでショートカットを使ってしまう方法もあるのでしょうが、武井さんはそれをよしとしなかったのでしょう。


そのため、次第に読者離れが進んでいってしまったのだと思います。
現在、ジャンプに連載されている他のマンガを見てみると、いくつかのことが言えるのではないでしょうか?

  • 例え大きな目的があろうと、それは比較的隠して、小さな目的を小出しにしながら潰してゆく。
  • 物語の核心に迫る敵キャラクタは、ストーリー序盤には(1,2人ならともかく、大人数は)登場させない。



深く考えたわけではないのですが、このあたりで作者さんと編集部がともに読み間違えを起こしてしまっていたのではないでしょうか?
回転が速いジャンプの中で、もし続いてしまった場合に困るようなストーリー展開が後々命取りになってしまったのだと思います。
ただ、続くかどうか分からない状況で少数の初期キャラクタで人気を得ることや、ストーリーを浅く作ってしまうことで番外ネタを小出しにし続けることも作者さんにとっては大問題だとも思うのですが…
難しいですね、連載ものというのは…