忙しい間に

ちょっと書き物をしてみようかと思いまして…
2日がかりの大作ですよ。


最近少しずつ次世代ゲーム機に関する話が出てきていますね。
SONYPS3に搭載が決まっているIBM東芝と共同開発しているCELLのテストチップを発表しました。
少し開けてMicrosoftが次世代XBOXはHD出力が可能らしいことをアピールしました。
任天堂もほぼ同じタイミングで次世代機Evoluyionに関して無線LAN内蔵によるNDSとの連携を謳っています。


こういった記事が並ぶと一般ゲーマの方々の多くは、「どれだけハードウェアの性能がすごかろうと、結局はどれだけ魅力的なソフトが並ぶかによる」と口にされます。
事実、面白そうなタイトルがなければゲーム機なんて買わないでしょうしね。


ただですね、ハードウェア設計者の観点から言うと「後で『あの機能が付いていたらよかった』なんて言われてしまうようなハードは作れない」わけですよ。
たとえオーバスペックと言われようと、可能な限りの技術を詰め込まなければならないのです。
拡張を視野に入れずに設計されたゲーム機が、そのハードウェア性能の限界のためにソフトウェアの良さを殺してしまうなどということはあってはならないのですから。
ディスクメディアが利用されている現在、メタルスレイダーグローリーのような特殊なカートリッジを持つソフトは作れませんしね…


また、興味深い点としてはSONY,Microsoft,任天堂の3社とも「開発環境は既存のものと大差ない」としっかりと断言していることが挙げられます。
次世代機のコアチップにはどれも複数個の浮動小数点演算器や各種のコーデック用のエンジンを積んでいるはずです。
コンパイラの性能を高めることでゲームプログラマにそれらをあまり感じさせずにコーディングをしてもらうことが出来るようにはなるでしょう。
ただ、それでもゲームプログラマへの負担は現在より大きいものになるのは目に見えています。
出来ることが増えたのにコードは短くなるなんて都合の良いことはそうそうおこらないでしょうからね。
それでもその差を極力吸収できるよう、ハードとソフトの設計を最適化するわけです。
本来ならなくしてしまいたい機能を残しておいたりもするわけです。


結構必死なんですよ。
普通の電気機器とは異なり、創ったらおしまいではなく、創ってからが始まりなのですから。
可能性が最大限に詰まったものを用意しなくてはならないのですから。


そのあたり、少しでもいいから理解してもらえると嬉しいです。